EVS

EVSとは

近年、通行車輌の大型化、交通量の増加により、道路に設置されているマンホールをとりまく環境は過酷な状況になってきています。それに伴い、繰り返されるマンホール蓋への荷重の増加による蓋の過剰な食込みという現象が発生することで人力で蓋を開けられなくなる状態となり、下水道管路の維持管理に大きな支障をもたらしてしまう結果になりえます。
また、逆に食込み力を軽減し、蓋を開けやすくした場合には繰り返される上からの荷重負荷による揺動が発生し、蓋のがたつきによる騒音問題を起こしてしまうことになります。
そこで、この二律背反した問題を解消すべく、従来の蓋と枠の嵌合部の構造である急勾配式に新たな発想を取り入れ、性能を更に向上させたものが新開発品EVS(Evolution V Structure)です。

特徴

新発想の支持構造

蓋と枠の嵌合部の構造である急勾配式に新たな発想を取り入れ、性能を更に向上させたものが新開発品EVS(Evolution V Structure)です。

食い込みの防止

蓋の過剰な食い込みを抑えることで、蓋が開かない状況になることがないため、下水道管路の維持管理の労力低減に役立ちます。

寸法

単位:mm
区分 A B C D E F H
T-25 630 600 62 650 760 820 110
T-14 630 600 44 650 760 820 110

構造

図-1

図-2

【図-1】の通り、マンホールは蓋と枠によって構成されており、【図-2】のような従来型の支持構造においては、蓋、枠共々同角度の急勾配加工面を重ね合わせる構造でした。これにより、蓋の上面から荷重がかかることで蓋が沈み、枠とくさび形状を作り出すことによって一体化を形成し、がたつきを防止してきました。
しかし、過剰な荷重が繰り返しかかることによる食込みが増加し、結果として逆に蓋を開けにくくする原因にもなっていました。

図-3

図-4

新製品のEVSは、蓋と枠の接触面を加工する点では従来型と一緒ですが、従来型と異なる点は蓋の接触部の形状です。
【図-3】のように枠との接触部分に凸状の角部を形成、その角部を嵌合時に枠の勾配部分2か所に接触させます。そして、この状態で設置されたマンホールに車輌通行等の荷重が繰り返しかかることで蓋の食込み状態になると【図-4】のように接触部の塑性変形が発生するしくみです。
その際、蓋と枠の材質強度の違いから、食込みにより蓋と枠に新たな接触部が発生し、側面接触部で左右の揺動力、棚部でさらなる蓋の沈下食込みを防止します。
つまり、荷重負荷による塑性変形で発生した新たな接触部により、蓋の上下左右運動を抑止し、さらなる過剰な食込みとがたつきを抑える効果を持つのです。